【交換条件】


 まだ、が東へ旅立ったクロスのもとへ帰る旅を続けているときのこと。
 ノアと遭遇した。
 褐色の肌と額に十字。
 紳士の身なりをした男。

 「Ms.。俺たちの仲間になりませんか?」
 「嫌です。お断り申し上げます」
 「おや、残念。Ms.が身内に居たら、いい目の保養になるのに。考え直さない?」
 「私をそちら側にしたいなら、クロス・マリアン元帥以上の方を連れてくることですね」

 は物腰柔らかに丁重にお断りする。

 「まぁ、そんなお話はありえないでしょうけど」



 達と岐路を分かち、クロスが江戸をめざして旅を続けている時のこと。
 伯爵と遭遇した。
 つくり物の様な外見。
 紳士の身なりをした男。

 「クロス・マリアン元帥。我輩と手を組みませン♡?」
「寝言は寝て言え。俺は神父だ」 
 「残念でス。アナタ程の力がある人間が居たら教団なんて一捻りナノに♡考え直しませんカ?」
 「俺をそっち側に引き入れたいんなら、以上の女を連れてくるんだな」

 クロスは小馬鹿にしたように言い放つ。 

 「そんな女、この世に存在するとは思えんが?」




 は確信を秘めた眼差しで。
 

 クロスは自信にあふれた顔で。




 『あなた以外の人なんて』







++++あとがき+++++
 【BEAUTIFUL】番外編をお送りしました。
 ほとんど会話ばっかりのショートショートです。
 クロスとの信頼関係を描いてみました。
 一応「サラ」のシーンとクロスのシーンの字数は一緒になっています。
 暇だったら確認してみてください(笑)


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