【COME UN PESCE NELL'ACQUA】
雨の日に、ふたり放課後の教室に舞い戻って雨宿り。
生憎と傘を持ってなくて、しかも急にバラバラと降ってきたスコールのような雨にさらされて
結構濡れてしまったから、部活用にと置いてあったマルコのタオルを貸してもらって水を拭う。
おざなりに髪を拭いていたらマルコが苦笑い。
「ちゃんと拭かねえと風邪ひくよ?」
おいでおいでと招かれたスペースに立って髪を拭いてもらう。
丁寧に髪の水気を飛ばす手つきがまた優しくて。
あぁ、すごく好きだなぁって、
なんだかしみじみ感慨にふけってしまって
だから、その、マルコも同じことを想っていてくれたらなんて、
そんなことを思ってしまったりなんかしてしまって
「私のこと、好き?」
だから勢いあまってというかなんというか
普段ならまず考えられないようなこと口走ってしまった。
ちょ、い、いいい今何て言ったの自分!
言った側から頭の中ショートして、一気に顔に熱が集まって
とにかく首を360°回転させるぐらいの勢いで顔をマルコから背けた・・・かったのに
「わ、ぁ!」
ぐるり、と背けた先から連れ戻されて、タオルが床に落ちる。
どうにも逃げられないようにがっちり両サイドを固められてしまった私はどうにも困ってしまって
困ってる間にも、長い指が顔を包み込んで、マルコは容赦なく唇をあわせてきてしまって。
「―、っ・・・ふ、」
待ってアメフトって肺活量もつく競技だったっけと
とんちんかんな勘違いをするぐらい長いキスにあたふたして、
マルコのシャツにしがみついていると
そんな私を見て、マルコが嬉しそうにくすくす笑って
「食べちゃいたいくらい」
息も切らさず涼しい顔をしてまたそんなことを惜しげもなくいうものだから恥ずかしくて。
どうにか顔を背けようとしたら今度はネクタイをわしっと掴まれてなす術がなくなってしまった。
「ま、マルコちょっ待って、絶対、手、早い・・・」
「い・ま・さ・ら・っちゅう話。ほら、ちゃんとこっち見て。―逃がさないから」
笑いながら、でも結構本気でネクタイは放してくれない。
それどころか私がシャツを掴んでいた手も上から包み込むように握りしめてきて
ほ、捕獲?捕獲なのかなこれは?
両手のふさがってるマルコは、それでも髪に、額に、頬に、耳に、と輪郭をなぞるように
頬や唇を優しく寄せてきてそれがすごくくすぐったい。
顔を真っ赤にして惚けている私とは反対に綺麗な青い目は嬉しそうに笑っていて、
あぁすごい楽しそうっていうか活き活きしてる。
何となくだけどイタズラを思いついた子どもを彷彿させるようなそんな感じ。
アメフトの試合中にも垣間見ることのある、あの顔だ。
美人はどんな顔しても美人なんだね。目にはかなり大人な色香を漂わせてるけど。
「」
歌うように名前を呼ばれて
「優しいのと、優しくないの、どっちがいい?」
わあ、素敵な笑顔
COME UN PESCE NELL'ACQUA
(「あぁ・・・ほんとに食べちゃうんだ」
「うん」
「、じゃあ優しいほうで・・・」
「ん、わかった」)
(COME UN PESCE NELL'ACQUA=伊:水の中の魚≒水を得た魚のように)
++あとがき++++
な、名前変換すくねぇ・・・OTL
これが我が家のマルコと夢主(基本形態)
マルコの名前が令司だと時々忘れちゃう管理人です(爆)
「お茶とコーヒーどっちがいい」ぐらいのノリで
「優しいのと、優しくないの、どっちがいい?」って聞いてしまうのが【CERAMIC】流です。すけべが好き←問題発言
【国際的カップル】のB面版と言いましょうか、
やっぱりマルコにも「食べちゃいたいくらい」を言わせたくなったため第二弾でへたれ返上
なんだか今度は夢主がへたれ←究極のメビウスここに誕生
やっぱりマルコは色白でも腹の中は黒であれ
楽しいなあ、マルコ夢
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