※ ジャンプ2号ネタバレ注意
静かな、夜だ。
ダイニングのソファーに腰掛けて雑誌を捲る。
ドンの斜向かいにはが、両膝の上に立てたバインダーとにらめっこをしていた。
白のジャージに鮮やかな赤いバインダーはのトレードマークでもある。
アメフトのデータを整理するときいつも使っているところを見るあたりずいぶん気に入っているらしい。(そしてそれを贈ったドンとしても悪い気はしない)
少し年季の入った、それでも丁寧に使い込まれたバインダーに挟まれた紙にペンを走らせてから、がふと顔を上げた。
所在なさそうに視線を浮かせている気配を感じながらページを一枚また捲る。(がアメフトのデータを纏めるとき、ドンは決して妨げになるようなことはしない)(しかしそれ以外は、言わずもがなである)
「・・・ドン」
またすぐになにかを書き付けるであろうと思っていたドンの予想に反して、はペンを下ろした。
すこしばかり遠慮がちな声が、リビングに零れる。
バインダーごと膝を抱えたに視線を合わせて、ドンは先を促した。
「なんだ?」
「・・・・・そっち、行っても良い?」
先程よりももっと控えめな声。
うかがうような瞳はすぐにうろうろと逸らされた。
普段は負けん気の強いじゃじゃ馬のくせに、妙に気を遣う嫌いがにはある。(こういうところがドンにとっては尽きない愉悦の対象なのだが)
縮こまるをしばらく見つめた後、ドンは心行くまで笑い声を上げた。
「ぶっ、くくっ・・・いいぜ、来いよ?優しくしてやる」
「・・・そーいうとこ反則なんだよ」
ひとしきり笑ってから、手にしていた雑誌を放り投げて両腕をこれ見よがしに広げてやる。
普段なら顔を真っ赤にして二言三言浴びせられるはずの罵倒はなかった。(ほんのりと頬は色をのせてはいたが)
膝を抱く腕を解いてぺたぺたと歩を進め、すんなりとドンの腕に収まるは大人しい。
「なんだ珍しい、人肌恋しいのか?」
「・・・ドンのと一緒にしないでよ」
「俺のと、ねぇ?」
太腿の上に乗っかる腰に手をホールドして、空いた右手は生粋の黒髪の間に挿し入れた。
日本人特有の直毛は、年中外気に当てられて少し痛みはしているものの尚持ち主と同じようにつややかに輝いている。
さらさらとした手触りを楽しみながらドンは少しだけ上体を倒した。
反射的に居住まいを正そうとするを体ごと抱き込んで再びゆったりと髪を梳く。
「ちょっ、ドン、このままじゃ寝る・・・」
「お前一人乗せて寝るぐらい訳ねぇよ。そんな半端な鍛え方じゃないって知ってるだろKitty?」
「そう じゃ、なく・・てさ」
「いいから大人しくしてろ。疲れてたらかわいくねぇぞ」
「っの、スケコマシめ・・・」
「この上ない褒め言葉だ」
むずかるに追い打ちをかけるようにゆっくりと華奢な背中に手を這わす。
いたわるように上下する右手が何回も往復を繰り返さないうちにの体からくたりと力が抜けた。
すべてを預けて眠りについたの横顔を眺めるドンの口元が緩やかに弧を描く。
照明さえ遠慮がちに静まり返った部屋で、ドンはいつまでも飽きることなくそうしていた。
01 軋むソファーに背をあずけて
(後で髪でも洗ってやるか)
++あとがき+++
まさかの2連発Mr.ドン☆でGO!
舞台はドン邸宅。以前日記に「多分こいつら一緒に住んでるぐらいの勢い」と書きましたが、訂正します。多分こいつら一緒に風呂入ってる(爆)
お題ではあれですがドン邸宅のソファーって軋まなさそう(ぎゃふん)個人的にすっごい趣味悪い革張りorエンジ色の中世ヨーロッパみたいの希望します
ドン氏はいちいち発言がいかがわしく聞こえてれば菱的には大成功←…
「疲れてたらかわいくねぇぞ」とかお前どこの深/津/絵/里\(^o^)/
捏造万歳\(^o^)/Mr.ドンはひっつきたがりだといい
てか正直途中で何回か本庄氏×王城夢主に乗っ取られそうになりました
が、頑張ったわたし(自画自賛)
Mr.ドンに癒されようをコンセプトに、ちょっと優しいドン(でも要所要所でSっ気を覗かせてるのは致し方ないだってドンだもん←オイ)
ドンは恋人に対してはフェミニストだといいな。女遊び激しそうだけど(ちょ)
でもこれ逆に原作のMr.ドンがどういうかんじかわからないからめちゃくちゃ戦々恐々としてます(ガタガタ)
どうかダンディズムな老け顔でありますように!←…
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