※ 本庄家オリキャラ長女出てます
バレンタインも終わったこの時期、本庄の家には大量のプレゼントが集まる。
本庄と、鷹と、。三人分の贈り物を合わせるとそれはもう膨大な量で。(ここにちゃんが入っているのは本当に納得と、鶫が笑った)
プロ野球時代の名残か、郵送されてくる本庄の分。
アレキサンダーズの一軍として活躍すると鷹の分。
尋常ではないチョコレートの量に毎年は泣きそうだ。
それでももらった相手を律儀に控えてお返しの準備をするものだから、は本当に義理堅いというか何というか。
野郎共に大人気と言われるよりは何倍もマシたが、女の子達の黄色い声援の的、と言うのも少し心配である。
鶫とが2人で丁寧に包装を解く傍ら、本庄と鷹は中身の仕分けを手伝う。
日持ちするものとしないもの、それ以外。(主に雑貨)
菓子類は出来るだけから遠ざけて纏めていくと、前に比べて格段に量が減っていることに気付いた。
代わりに増えたのは、コーヒーや紅茶といったもの。
「…二年生と三年生はが甘いの駄目って去年で知ってるんだよ」
「あたしもよく聞かれたわ。ちゃんって何が好きなのって」
「ご、ごめんね。鶫ちゃん」
や鷹と同じく帝黒の三年生として在学中の鶫がからりと笑う。
いいのいいのとの頭を撫でて、悪戯っぽく片目を閉じた。
しゅる、鶫がまたリボンを解いてラッピング紙を剥がす。
中から出てきたコーヒーの豆に、が、わ、と小さく声を上げた。
「本庄さん」
「ん?」
「これ、本庄さんの好きなお店の」
銀色の袋を手に取るは、指先にまで嬉しそうな色を湛える。
にこ、微笑んだの頭を撫でてやりながら、本庄も静かに唇で弧を描いた。鷹と鶫もつられて頬を緩める。
「もう、ちゃんかわいい!」
「鶫ちゃん」
「姉さん、落ち着きなよ」
きゅう、と鶫がの頭を抱き締めて呟く。
向かいに座った鷹が机の上の物を避難させながら溜め息をついた。
仲の良い三人の姿を見つめて、本庄は安堵の溜息をつく。
年の近い二人の子供と、母親。
馴染めるだろうかと危惧したのは、杞憂だったようだ。嬉しい誤算である。
「あたしの大事なお母さんに玉砕覚悟で逆チョコなんて挑もうとしてる不届き者は成敗しておいたから安心してね」
「逆チョコ…?」
「男の子が女の子にチョコレートをあげる事よ」
頭にクエスチョンマークを浮かばせるにそう教える鶫のほうがまるで姉妹のようだ。
姉の言葉に鷹が顔をしかめる。
「…姉さんの所にも来たの?」
「鷹も言われたのね?ちゃんと断った?」
「…当たり前だろ」
「でかした、鶫、鷹」
置いてきぼりにされたが本庄のほうを見やる。
気にしないで良い、そう微笑んでまたひとつ、本庄は箱を積み上げた。
幸せになれる話
( だ い す き な ん で す )
++あとがき+++
何て言うかもう本庄家の人々新しいお母さん大好きですね捏造すみません
オリジナル本庄家長女・鶫(つぐみ)初登場。
帝黒三年生、さばさばした姉御肌、本庄さんに似て新しいお母さんのことも大好きのようです。よかったよかった(え)
夢主のポジションが母親と言うより末娘的なのが若干の懸念事項ですが、楽しかったのでよし!←…
当初は『バレンタイン後の夢主を見て複雑な気分な本庄さん』と『貰った物の中に本庄さんの好きなものがあって喜ぶ夢主を見てきゅんとくる本庄さん』が書きたくてアフターバレンタイン。
こういうのも有り、でしょうか…?(聞くな)
本庄ファミリーでここまで楽しむ菱は多分病気。家族大好き!
タイトル*ララドールさまより
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