「背が伸びた?」
「おお、この前スーツ合わせに行ったときに計ったら伸びてた」
かつり、こつり、大会の打ち合わせで集まっていたホテルのラウンジを突っ切ってロビーに向かいながら、思い出したように本庄が言う。
二十歳と十六歳の二児の父となった本庄の背が縮みこそすれど、また伸びるのはそれなりに奇異な出来事だ。
眉を持ち上げるように笑ってポケットに引っかけていたサングラスをはめ直す本庄を見やる。
「どうりで最近の目線が低いと思ったら…いや、そのうちまたあの子も大きくなるだろうからちょうど良いんだろうけど」
「…お前判断基準は常に君か」
「身長差は大事だろ?」
「まったく…」
見た目はともかく、中身はまるで成長期の時のままだ。
子供が産まれてから多少は落ち着いたと思ったが、君を“”と呼ぶようになってからというもの、本庄は以前にも増してからからと振る舞うようになった。
どうやら彼女の存在はいろんな意味で本庄に影響を及ぼすらしい。見ていてある意味清々しいほどだ。
お互いの気持ちに気付くまでに色々とあった分余計と、本庄は彼女に対する好意を隠さない。
「マサ、お前もういくつになったと………その年で更に成長してどうする」
「いやだから俺も驚いてるんだって」
「お前のでたらめな身体構造は未だにわからん。いっその事一度病院で開いてもらったらどうだ」
「そんなに俺が嫌いか?」
今は隣でけらけらと笑い、かつてはプロ野球選手として活躍していた同窓は未だに恐ろしいぐらいの身体能力を持つ。
君と息子の鷹君、現役アメフト選手二人のトレーニングに自ら付き合うぐらいだ。
気まぐれにスポーツテストでも行う日には凄まじい記録を叩き出すに違いない。
「一応聞くが、その思い出したかのような成長に何か心当たりは?」
「………愛?」
「もういい、喋るな。聞いた私が馬鹿だった」
「何だよ」
真面目に思案した後に涼しい顔でそう呟いた本庄を牽制する形で目を伏せる。
これでも高校の頃からのつきあいだ、何を言わんとしているかはわかった。それこそ嫌と言うほどに。
本庄が溺愛して止まない君はまだ高校生、それこそ日々健やかに成長期真っ只中だ。
それに釣られたとでも言いたいのだろう。
まだまだ余裕があるとは言え、もうすぐ180の大台に乗るところだ、と本庄が言っていたのを思い出す。
三年前初めて本庄を君と引き合わせたときから、何かと彼女を気にかけてはいたがよもやここまでにもなろうとは…もはや感心すらする勢いで溜息を吐いたのであった。
何が厄介かと言われれば、有り得ないとは言い切れないその事実。
ノロケウイルス蔓延中
(ただ、幸せならそれに越したことはないだけのことだ)
++あとがき+++
本庄さんはに釣られて背が伸びると良いですよと^q^
惚気全開の本庄さんが書きたくて衝動。被害は主に関東理事と蛭魔さん(爆)
ただ理事長は何だかんだ言いつつも良き理解者なので、色々気にかけてくれますよね!妄想!
本庄さんはオーダンディー・ナイスダンディー・イエスダンディーな方ですが、【CERAMIC】の本庄さんは何というかもうほんとどうしようもねぇな(殴)
でも涼しい顔して「愛?」とか本庄さんに言って欲しい(*´`*)きゅん
清々しいほどストレートに包み隠さず愛を囁くのが本庄さんの正義!(おわれ)
タイトル*ララドールさまより
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