が『若獅子』なんて呼ばれるようになったのは、最近の話だ。
淡い色の髪をつんつんに立てて、試合に臨む姿はなるほど言い得て妙だと思う。
長すぎず肩を少し越すぐらいの髪をたてがみのようになびかせて走ると尚更ライオンっぽく見えた。―今も。
制服とローファーでよくもそこまで綺麗なフォームで走れるものだと鷹は感心した。
感心したあとに、いやそうじゃなくて…と自分で自分を質す。
今ここがどこで、が所属する学校はどこで、今日が何曜日かを考えるとそれなりに不可解な状況だ。
鷹!自分の姿を見つけて嬉しそうな顔をするの、青いリボンタイが少し斜めに浮いてしまっている。
現在の時刻は20時40分、土曜日も日曜日もしっかりと練習が入っている王城ホワイトナイツにとっては、例え今日が金曜日であっても、気軽に遊びに、なんて言える状況ではなかった。
「ごめん、20分ぐらいで終電出ちゃうから、ゆっくりはしてられないんだけど」
駅から走ってきたのだろうか、さすがのも少し疲れたようで。
フーと息を整えながらにこりと笑う。
しっかりと抱えていた鞄を開けると、中から厳重にタオルで包んだなにかを取り出した。
「壊れたりしてないよね…」
素早く、できる限り優しい所作でクッション材代わりのタオルを取り払う。
その下には更に包装紙にくるまれた箱があった。リボンタイと同じく、複雑な形に結われたリボンは青い。
…ちょっと待ってよ、東京から大阪までどれだけの時間と費用と労力がかかると思ってるの。そんな当たり前みたいに此処でにこにこしてるけど、こんな時間に来ようと思ったら部活の練習だって無理矢理明日に回したんだろう。自分だって疲れてる癖に、メールだって日付が変わってすぐに送ってくれたじゃないか。“間に合ってよかった”ってそんな、今日にこだわらなくったって、俺は小さな子供じゃないんだから怒ったりしないのに。なにその出張中の母親みたいな行動力…ああもうその嬉しそうな顔はやめてってば。
ぐるぐると喉の奥で押し合いへし合い。
鷹の気持ちとは裏腹には箱を差し出して微笑んだ。
桃色スマイルアタック
「鷹、誕生日おめでとう!」
真っ赤になった鷹の顔を見て、が目を丸くするまであと数秒。
(以上、帝黒アレキサンダーズの面々に見守られたとある親子のお話)
++あとがき+++
夢主が激しく出張中のオカン(爆)
鷹の為に部活の練習を繰り上げてきた夢主。往復六時間の道のりも、我が子のためならなんのそのです^q^
遠距離恋愛なお相手〜とかも一応考えてみたけどしっくりこなかったので家族夢で。
帝黒他のメンバーは笑いをこらえるのに必死です。
できた息子と天然タラシの夢主っぽくなってたらいいな!【CERAMIC】初の誕生日夢でした!(笑)
タイトル*ララドールさまより
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