※ 319th down「UNITED STATES OF AMERICA」ネタバレ注意

身長の差は、おおよそ30p。
対象がタタンカという点においては、それなりに善戦したほうだと言って良いだろう。
女性にしてみても格段に高い、日本人は小柄な印象が強かったが、その概念を払拭するには十分な背丈は、タタンカの首の負担という点でも優しい部類だ。パンサーよりは少し大きいぐらいか。
初めて見たのがそれぞれフィールドとスタンドと離れた位置だったので目測に留まったのだが、記憶と並べてみると意外に差があると思った。

「なんだ、遠目で見たらもっと大きいのかと思ったが…大したことはないな。意外と小さイ」

思ったことを素直に口に出すと、ぴた、タタンカを含む周囲の空間が少し静まる。
自身、タタンカのほうをポカンと見つめたまま、何か言いたそうに目をしばたかせた。

見つめ合うこと数秒。

「―――――生まれて初めて小さいって言われた…!」
「先輩先輩、ここ喜ぶところじゃないっちゅー」

両手で顔を挟み込む、の顔から不快指数は見いだせない。
少し顔を赤く染めたに指摘したのはどことなくバッドに似た雰囲気の選手だ。
困り果てたように眉を下げる彼の言葉を借りるなら、『喜んで』いるらしい彼女はそわそわと落ち着きのない様で目線をさまよわせる。
なるほど、バッドが構いたがるのも判る気がした。
見た目と中身と試合中の、激しいギャップがいちいち面白い。
言うなればオバーマン家の大型犬を彷彿させる、逐一良いレスポンスの所為だろうかとタタンカは思った。

「ちょうどいいところに頭があるナ」
「おまっ、勝手に撫でんな!!」

憤慨する少年―額の真ん中にある黒子が特徴的だ―を余所に、はそれこそ犬のように大人しくしている。
見た目に反してサラサラと細い髪が指先によく馴染んだ。撫で甲斐がある。
実際、は驚きのあまり固まっていたらしいのだが、それはあまりにユルい感じで固まった空間を一新するように本庄が発した言葉を伴って初めて判明したことだった。

「悪いけど、この子そういうのに慣れてないんだ。あんまりたぶらかさないでくれるかな?」

通りの良い低い声に、苦笑いの気配。
顔の作りそのものの要所要所はどことなくバッドと似た―間違っても口には出さないが―男性はすっぽりと小慣れた手つきでの肩に後ろから腕を回す。
その自身凄まじくと言って良いほど狼狽えていたが、この場合は止める理由も無さそうなので、パス、タタンカはからのSOSを見送った。

「俺の特権をそうやすやすと突破されると困る」
「―豪速球の」
「あれでも加減はしたつもりだよ」
「あれデ?」
「当たったらタダじゃすまないように」
「ああ…なるほド、そっちの加減……」

本気でないとすぐに判る牽制は、タタンカにやましいものがないと見抜いての余裕だろう。
どこぞのバッドは少なからず本気だったのでその身を以てして報復を受けたわけだが。(流石はワイルドハリウッド、伊達に『オレはいつでも本気だぜ!』というキャッチフレーズとともに週刊誌を賑わせているわけではない)
ほくそ笑んで、タタンカは目を伏せた。

「そう身構えなくても、俺はバッドとは違う。その点は安心してもらって構わない。極力近付かないように気を配りましょウ」
「近寄るななんて言わないさ。むしろ仲良くしてあげてくれ。この子もたくさん友達を作るいい機会だ」
「下心さえなけれバ?」
「平たく言うとそうかな」
「ほ、本庄さん…」

惜しみのない好意が恥ずかしいのか、居心地悪そうにが身じろぐ。
内容はまさに自身の事であるというのに置いてきぼりを食らう姿に、タタンカと本庄はほぼ同時に唇で弧を描いた。



リトル・ガール



(あの子が小さく見える奇跡!)


++あとがき+++
嫁より30p近く背の高いキャラって言ったら一度はやってみたかったネタ。
そらタタンカから見りゃ誰でも小さいよ^q^
慣れてないので頭を撫でられるのが極端に弱い嫁。
高見さん本庄さんあたりがよく嫁を胸きゅんさせる位置にいる。チョロ過ぎる嫁wwwwwww
本庄さんって身長どんぐらいあるのかなー…モン太とすれ違ったときのコマで頭二つ分ぐらい違ったから多分かなり大きいはず、40p差としたら…195、だと…?
主に菱を狂わせる数字ですねわかります(*´д`*)※あくまでも頭の悪い菱が弾き出した憶測です。半分は聞き流すように※
タタンカと本庄さんは意外と仲良しみたいになった^q^
まだまだペンタミーツは書き足りない!頑張る!
お花屋さんが始まったらある意味物凄いライバル関係な二人とかセルフで萌えた。菱残念/(^q^)\

タイトル*ララドールさまより


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