□■きららさま宅「空模様パニエ」さまより、夢主ルリちゃんとのコラボレーションなお話です■□

ぶあ…!風に膨らんだ教室のカーテンが、波打つように窓際の席にはためいた。
特有の湿気を含んだ瑞々しい流れは布をまとって勢いよく机の上のプリントやペットボトルを薙ぎ倒していく。
ハタハタと二、三回宙で翻ったクリーム色の生地は今度は吸い寄せられるように窓に引き寄せられた。
座っていたルリやうつ伏せのの頭を少し掠めて行ったカーテンは窓枠の形に沿って不格好な凹凸をかたちどる。
風と静電気で立ってしまった逆毛を撫でつけていると、突っ伏していた机から、がかすかに顔をもたげた。
まだ醒めきらない眠気に片足を突っ込んだまま、ゆるりと額に手を当ててそのまましばらく動かない。
そうかと思えばルリの見守る中再び顔を伏せてしまった。
僅かに覗く首や輪郭、耳の辺りがほんのり赤に染まっていく。

「…?」

名前を呼ぶと、ふるふると力なく頭が左右に揺れた。
呼応するように跳ねた髪の毛も揺れる。
風になびいてぱらばらに散ってしまった束感のある毛先をやんわりと撫でつけてあげながら、ルリはちらりと時計に目をやった。

…まだ、眠い?次、移動教室…もうすぐ時間、だから」
「うん…起きる」

歯切れの良くない返事と共に頭を起こすの、顔がまだ赤いのが気にかかる。
何とも言えない表情でテキストと筆記用具をまとめる間も、クラス分けされた数学の教室で別れるときもずっと上の空で、具合が悪いなら保健室に、とルリが奨めてみたけれどはそのまま隣のクラスに行ってしまった。
釈然としない気持ちで出席番号順で決められた席に着くと、後ろの席の女の子に名前を呼ばれた。

「綾坂さん、窓開けても良い?」

どうぞ、と頷いてカーテンを上げると彼女はルリとちょうど半分ずつ公平に風が当たるように窓を動かす。
そのまま授業を受けて、半分ぐらい過ぎた頃だろうか、ぽふっと頭の後ろ辺りに何かが当たった。
振り向いた先にあったのはやっぱり同じように風で膨らんだカーテン。
その感触に、どこか安心できるような心地を思い出して、ルリは記憶をたぐる。
その先にあったのは―

「…………」
「綾坂さん?」

小さな声に振り向くと、先ほどの子の心配そうな視線と出会った。
顔赤いよ?大丈夫?、そう呟かれてルリはあの時のを理解した。
何でもないの、そう首を振って前を向く。
後ろの子はきっと先ほどのルリのように不可解な顔をしているだろうけれど、理由なんて以外には話せそうにない。







(優しいあなたの手に似ていた)


++あとがき+++
きららさま宅「空模様パニエ」さまより夢主ルリちゃんをお借りしました!きららさま、ありがとうございます!
いつぞやより大分時間が経ってしまいましたが、学生らしく学校ネタから!
進が出せなかったのが残念でなりませんが、ルリちゃんと恋する乙女的なネタ非常ににへにへしながら書きました。
なびいたカーテンのふんわり感触=恋人に撫でられたときの感覚的なwww
ルリちゃんと嫁のクラスメイト的オイシイ設定にうきうきドキドキしてます!
書きたかったカーテンネタミーツルリちゃん、今回はのほほん的ですが次はもっとアメフトメンバーを巻き込んで大騒ぎしたいな^^
大事な娘さんをありがとうございました!

きららさまの素敵なサイトはこちらから! 空模様パニエ

タイトル*ララドールさまより


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