くあ、緊張感のない溜息が小さく零れた。
渡米して2度目の朝、ホテルの一階で思い思いの席について食事をとっていたメンバーの面々を辿って目をやると、いかにも眠たげに首をもたげるの姿がある。
左手で口元を覆って瞬く速度は驚くほど緩慢だ。

姐、寝不足?」
「うん…ちょっとだけ」
「おい、スープに顔突っ込むなよ?」
「善処します…」
「いっそ溺れ死ね糞オスカル」
「蛭魔くん!なんでそうやっていつも…!」

デビルバッツを繋ぎ合わせるように鈴音、武蔵、蛭魔にまもりが言葉を交わす。
五月蠅そうに顔をしかめる蛭魔相手にまもりがヒートアップしていく中でもはまだ目が醒めやらぬようで、いつもならば二人をハラハラと見やる眼差しは下がりがちな瞼と睫毛に縁取られて揺れるだけだ。
ほとんど手つかずのままにされているコーヒーの持ち手を差し出してやりながら、コータローは苦笑いを零す。

「時差ボケか?」
「多分、それもあるけど、なんか、一人で寝るの慣れない…」
『!?』

ありがとう、とほとんど唸るようにそう言ってカップを受け取ると口に翳して傾ける。
腕を傾けた格好のままにして黒々とした水面を見やるは周囲の温度差に気付かない。(唯一帝黒組(鷹以外)だけは笑いをこらえる方針でまた違う温度差を醸し出していたのだが)
ふー…一人だけ優雅に一息着きながら誰に言うともなく、の独白は続いた。

「やっぱり左側空いてるのって落ち着かないなー…スースーしてさむか「―お騒がせしました」ぅ?」

大きな右手がの手からカップを取り上げて、反対の手が口ごとと言わず顔半分を塞ぐ。
遮ったのは言うまでもなく本庄だ。
…父さんちょっと手遅れ、ぼそりとそう呟いた鷹に、俺もそう思う、本庄は切り返す。

、ストップ、それ以上は色々駄目だ」
「むぐ」
「うん、続きは俺が聞いてあげるから。こっちおいで」

小さな子供に言い聞かせるように呟いて席を立たせる。
素直に皿を持ってついて行くの目が覚めたときのことを思うと今から居たたまれない気持ちになったのはその場のほとんどだろうとほぼ全員が抜群の協調性を発揮した。

「…アレってやっぱりそういうことなの?」
「本庄氏とはいっつもあんな感じさ!」
「テメェん所の親父はどーゆー躾してんだよ」
「…蛭魔氏、躾とか言わないでくれないか人聞きの悪い」

クォーターバックの疑問に答える形で、帝黒の両雄はそれぞれ口を開く。
その後十数分の時を経てから、が頭を抱えたのはまた別の話。







(このあと本庄勝さんは現地で抱き枕を調達してあげたそうです。)


++あとがき+++
“海外製は安心できねぇな…”って日本製を買い与えるに違いない^q^過保護!
どうやら隣に本庄さんがいないと安眠できない嫁
いつぞやの日記で言ってた「おい夫婦自重しろ」ネタです。嫁が着々とお墓の穴掘るアホの子に(爆)
本庄さんと嫁は一応別々のお部屋です。入り浸る予定ですが大事なので二回言います一応別です。
あくまでも違う部屋だけど入り浸るって言うのがロマン←…
舞台裏的な感じでホテル内のらぶっぷりもかきたいな!もう目も当てられないぐらいイチャつかせたい
被害者は主にデビルバッツ組と長男。第三者目線は楽しいなー\(^o^)/

タイトル*流星雨さまより


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