いつだって探してしまう。
 (少しでも似ていたら、彼女じゃないだろうか、とか)
 試合会場や、大会の式中、会場から会場の移動中にだって
 (探してしまうのは王城の二文字ばかり)
 唯でさえ、お互い試合に練習に忙殺されている身であるから余計と
 (顔を合わせるなんてごく僅かだから)
 会いたい、なんて

  「・・・情けねぇ」
  「え?」

 ぼそり、と吐露してしまった筧の胸の内を大西が拾い上げる。
 間髪入れず“どうかしましたか筧先生!”なんて大平が言ったりするものだから
 またいつもの張り合いが始まってしまって筧は溜め息を吐いた。

  「あ、だ!筧筧!」
  「馬鹿!騒ぐな!!」

 水町が筧の腕を引っ張る。
 言われるまでもなく、というよりむしろ水町がの姿を目に留めるより早く筧は恋人の姿を確実に見つけだしていた。
 フィールド外では少し猫背になる癖は、相変わらず。
 今はあの穏やかな笑顔が王城の面々に向いているという事実に、少しだけ嫉妬を覚えた。
 当たり前のように、笑いあえる仲間。の大切な存在。

 もう一年、早く生まれていれば
 小学校のアメフトの大会で、もっと周りに目を配っていれば

 今、の隣に居れたのだろうか。当然のように。

  「―」

 不意に、が筧の姿を目に映す。
 ばちっ、と音がしそうなほど目があった。途端に、破顔一笑。
 先ほどまでの顔とは違うそれで、は筧に笑いかける。
 ゆっくりと、口が動いて

  「しゅ、ん」

 声なき声、まさにそんなふうに、けれど確かにそう判るように。
 普段筧が照れるから、とはあまり下の名前で筧を呼ばないのに、

  ―嗚呼、

 


 ++あとがき+++
 夢主、筧をもてあそぶ、の巻〜(違)筧が乙女だ
 この2人は付き合い始めてもなかなか“先輩”“筧くん”と呼び合う癖が抜けないといい
 小学校の時から夢主と筧と鬼兵と高見さんが大会でニアミスしてたらすげー萌える
 4人が4人ともかなり異才を放ってそうだ(あ、でも高見さんはタッチフット!)(げふんごふん)
 実はなにげに付き合い長いあべこべな4人組とかよくないですかね
 小学生の時は高見さんと筧と夢主の身長がほぼどっこいどっこいで
 鬼兵はかなり複雑な心境だった…みたいなちょ、楽しいなこれ!

 夢主も筧もアメフトに首ったけだからなかなか会えないんだろうな的な妄想の産物
 筧へたれ化進行中

  タイトル*ララドールさまより

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