※ 320th down「実力の国」ネタバレ注意

色にしたら、黒。温度にしたら氷点下ないし絶対零度。感情にして、不快感、憤怒、その他諸々。

「Mr.ドン、貴様を殺してな…!!」
「ド…ドンのメットが…!」
「…いや、メットよりワイフがヤバイ」

ベンチに控えて心の底から負のオーラを発しているを見て、バッドが呟く。
一斉に振り向いたアメリカチームは未だかつて内ほどに荒びるサポートリーダーの姿を目の当たりにした。

「―――………地獄に堕ちろ」

冷え冷えとした声が、きれいな発音の英語でそう呟く。
もとより涼やかな目元は一層色をなくし、鋭い視線はコートをまっすぐ貫いた。
日本チームの小柄な少年が一人、に気付いて青ざめる。
右手に握りしめたペンでカツカツとバインダーを叩く姿は苛立ちの権化と言っても差し支えなさそうだ。
遠巻きに彼女を見守るオブザーバ組に緊張が走る。

「どうかな、囀るよりその体で確かめてみろ」

ピシィ!空気に、亀裂が入った音を聞いた気がした。

「“In lieu of the star,take your scolding from me.”(星に変わってお仕置きだ)」

どこかで聞いたことのあるようなセリフを呟いて、ふらり、が立ち上がる。
試合中、それもこの決勝戦という場にも関わらず彼女がベンチを離れようとするなんて由々しき事態だ。
大慌てでの腕を取って、パンサーは彼女を引き留める。

「わ、ワイフ…?」
「銀行にお金を振り込んでくる」
「お、お金?」
「…スイス銀行にお金を振り込んで、閉会と同時にあの男を消して貰おうと思う」
「ご、ゴル○13!?」
「ちょっ、オイみんな止めろ止めろ!!ワイフがキレた!」
「早まるなワイフ!落ち着いて!!」
「クリフォード助けて!」
「知るか」

一線を越えた眼差しで告げたにアメリカチーム側のベンチがにわかにどよめく。
コートからそれを見守っていたバッドは涼しい顔でヘルメットを直すドンの脇腹をつついた。

「…ワイフ止めねぇでいいの?」
「ああ、アレはアレで愉快だな。もうしばらく遊ばせておけば良かろう」
「クリフォード以外みんな泣きそうなんだけど…」
「素晴らしく仲間思いの良いチームメイトに恵まれたな」
「…ほどほどにしてくれよ?」
「善処しよう」
















(あー…チームジャパンが青ざめてる)


++あとがき+++
いつぞやの日記で書いた峨王くんに相当キてるヤンデレワイフ
全国の峨王くんファンの皆さますみませんでした(土下座)
正面切って勝てないのが分かり切ってるからワイフはドロドロした手に走ります(笑)
セーラーム○ンネタは一回やっときたかったので満足満足
(※)スイス銀行はゴルゴ1○の指定銀行です

タイトル*ララドールさまより


MENU