最近の子、と言うのが真面目なのか横着なのかタタンカにはよく分からないが(何せいつも目にする一番の年下は一つしか変わらないパンサーだ)、は随分と勤勉なようで。
「鉢植えには朝と夜に少しずつ水をやって、下のシートも湿らせておいて欲しいんだ。でもサボテンから左の列は水をやりすぎると根が腐ってしまうからこれは注意して」
「はい」
小さなメモ帳に覚え書きを走らせながら、はいつでもきっちりと返事を忘れない。
この覚え書きのメモをまたもう一冊の清書用に書き直して仕事の内容をまとめているのだとか。
きっちりと几帳面な文字はそのまま彼女の性格にも出ているようだ。
聞き落とさないように、書き零さないように、忙しなく右手は動く。
「花を表に出すのは天気のいい日だけ。雨が降ってきたらここに移動させるからこのスペースは出来るだけ広い目に、物を置きすぎないこと。香りの強い花が多いから、特に他の花の場所には気をつけて…」
しばらくは花の名前や種類を覚える為に掃除や水やりを中心に、花束を作るときはまずリボンの結び方から。それまでの説明も復唱してからは、ボールペンとメモ帳をポケットに戻した。
「掃除道具はこっちの棚から、で、霧吹きは上に」
届く?首を傾げてそう笑うと心得たようにはすい、と右の手のひらを伸ばす。
軽々と無理なく霧吹きを手に取ってタタンカを見上げる眼差しがはにかむように細められた。
「じゃあ今日はまず表のガラスの掃除をお願いしようかな。終わったらリボンの結び方をいくつか教えるよ」
“I see.”気持ち良いほどの返事をしてはバケツやダスターを片手に表通りに面した店頭に出る。
真剣な姿で窓を拭くの後ろには抜けるような青空が広がっていた。
青と白しかない
(はじまりの日は良い天気)
++あとがき+++
うーん…まだまだ導入編
店の間取りとかももっと出したいんだけどなあ…
一度絵に描いてみようかな
色々あります小さなこだわり。
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