「あー…どうしよ、やっぱりシャンプーとボディーソープは分けた方がいいか…?それなら洗顔フォームも使った方が」
「バッド、そこで悩む意味がわかんないんだけど」
「なんでだよ。ここ重要だろ?」
「ウサギの美容に気ぃつかわれてもぜんっぜん嬉しくないから!」
「トリートメントもする?」
「ひとの話聞けおまえは!!」
ばちゃん、立ち上がった拍子に洗面器の温水が波立つ。
次から次へとボトルを並べるバッドの捲り上げたズボンの裾に水が飛んだ。
「こら、大人しく浸かれよ。風邪引くぞ?そしたら俺試合には出ねえからな」
「着々と過保護にならなくていいのよ!もう、ばか!」
撫でてくる手を振り払うようにぶん!頭を振るう。
しかしどれだけそっぽを向こうとも難なく手のひらは簡単にに届いてしまうので意味をなさないのだった。若干むかつく。
そうこうしているうちにもバッドは手際よくシャンプーを―しかもが普段使っているものではなくオーガニックなものをわざわざ買い求めたものを―泡立てて背中に乗せた。
わしゃわしゃとリズミカルに手を動かして洗う。
少しこそばゆくて耳を揺らすとくつり、バッドが喉を鳴らした。
「ははは、泡ぶくだ」
「あ・そ・ぶ・な」
「だって可愛いんだもんよ」
「…もういい、つかれた」
「はいはい、流すぞー。目ぇ閉じてー」
洗面器からタイルへと下ろされて、弱めのシャワーが泡を流して毛並みをすすぐ。
昔うさぎを飼っていたのか、もとより器用な所為か、バッドの手つきは小慣れたものだ。
結局しっかりとトリートメントまでの行程を踏んで、はようやくバスタオルにくるまった。
ぺったりと張り付いた毛は少し重い。
「昔うさぎ飼ってたの?」
擦るのではなくふわふわと水気を払っていく手に鼻先だけを出して聞くと、きょと、青い目がまん丸に形を変える。
指先は絶えず働かせたままで、バッドは首を傾げた。
「え…浮気とかになる?心配しなくても俺は一すじ…」
「もういい話すな」
08.呆れ返る
++あとがき+++
閑話休題的な感じで風呂ネタ
バッドは器用に何でもこなすだろうと思うよ!
シャンプー→トリートメント→ボディーソープ→洗顔フォーム→洗い流さないトリートメントのフルコース^q^
多分シャンプーのやり方とかは一通り調べてる。
バッドさんはうさぎさん一筋(笑)
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