「黒澤さんって」

 「おー」

 「眼が鋭いですよねー」

 私がそう言うと、黒澤さんは何故かぴたりと動きを止めてしまった。



  inferiority complex



 「‥黒澤さん?」

 「‥‥あ?」

 「えっと、私何か変な事言いました?」

 そう聞くと、黒澤さんは困ったように眉間にシワを寄せた。

 「あー‥いや、別に言ってねぇ」

 「そうですか?でも…」

 「気にすんな」

 『今何だか反応が』と続けようとする私にそう言うと、黒澤さんは黙ってしまった。

 「‥‥‥」

 「‥‥‥」

 き、気まずい…!!

 この状態は何だかマズいんじゃないだろうか。
 何処がマズいんだ、と聞かれたら何処がとは答えられないけれど、何となく。

 「あの「…あのよ」

 「あ、はい!」

 何とか会話をしようとすると、黒澤さんの方から話を始めてくれた。

 「‥ほんとに気にしねーでくれていいんだ。
  ‥‥ただ、よく言われるからよ、目つき悪ぃって」

 「へ?」

 「?
  さっきの、そういう意味じゃねーのか」

 『さっきの』とは、多分私が言った『目が鋭い』の事だろう。

 けど、あれは…

 「黒澤さんの目は綺麗ですよね」

 「…は?」

 黒澤さんが怪訝な顔をしたが、私は構わずに続けた。

 「何か、上手く言えないんですけど…見てると吸い込まれそうになるといいますか、全部わかってもらえる気がする、ような」

 「‥‥‥」

 「とにかく、私がさっき言いたかったのはそれなんです。
  目つきが悪いって言いたかったんじゃなくて、目が綺麗だなぁ、って」

 黒澤さんは、目つきが悪いと周りに言われてきたのかもしれない。

 もしかしたら、それがコンプレックスになってしまっているのかもしれない。

 けど、私はそうは思わないから。

 ――鋭くて綺麗な目をしていると、思うから。

 「‥‥

 「はい?」

 伝わっただろうか、と不安になっていると、黒澤さんの声。

 「‥ありがとな」

 顔を上げると、珍しく笑っている黒澤さんの顔があって。

 あ…可愛い。

 口には出さなかったけど、その僅かに照れたような表情に、そんな事を感じた。










Very very Thanks Dear.KURO!!



+++++++
 キャー!!!!ヤバ・・です
 と、そこいらで叫びたい衝動に駆られつつにやけてました(危険信号)
 菱も目つきが芳しくないので(笑)(のち泣)このネタはちょっと素敵すぎます・・・/////
 相互記念としてリクエストさせていただきました。オフ友以外での相互さまは、まさにくろさまがでございます。
 素敵な黒澤さんをありがとうございました。大事にいたしますvVこれからも宜しくお願いいたしますm_ _)m

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